PRODUCT製品情報
マルチテスター MT-02(多機能型粉体物性測定器)
マルチテスターMT-02は、安息角やかさ密度、タップ密度といった粉体の基本的な物性測定をとおして、粉体の物性を総合的に分析する装置です。
この装置では、以下の2つの分析方法に対応しています。
・流動性・噴流性に着目した「Carrの指数」
・流動性・付着力に着目した「川北の式」
データ解析用PCとの連動によりCCDカメラによる角度の測定や、電子天秤の重量の読み取りが可能です。初めて操作をされる方でも簡単に測定やレポートの出力が行えるようにアシスト機能で測定者をサポートします。
マルチテスターMT-02は、1台で多様な測定・評価方法に対応した汎用性の高い測定装置です。
測定項目
- ゆるめかさ密度
- 固めかさ密度
- 圧縮度
- 安息角
- 崩壊角
- スパチュラ角
- 凝集度
- 分散度
- タップ密度(薬局方対応)
- 川北の式測定
特長
- 標準で日本薬局方のタップ密度測定法に対応しています
- 異なる2つの方向から角度を読み取ることでより正確なデータを取得できます
- データ解析用ソフトウェアをオプションでDI対応ソフトウェアに変更できます
測定項目と各データの使用例
程 | 測定項目 | 測定値 | 測定値の応用・評価 |
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粉砕 | 安息角 | 高 | ホッパーから供給される原料の閉塞や供給不能の可能性がある。 |
圧縮度 | 高 | 供給ホッパー内充填量の変化により、供給原料の見掛比重の変化に注意。 | |
スパチュラ角 | 高 | 供給ホッパー角度に配慮。ブリッジ対策不足で閉塞、供給不能になる場合あり。 | |
噴流性指数 | 高 | フラッシング発生、供給量のコントロールが困難になる場合あり。 供給ホッパー内充填量の変化により供給原料の見掛比重が変化する事がある。 |
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分級 | 安息角 | 高 | 供給ホッパー角度、ブリッジ対策に配慮、安定供給を心がける必要がある。 |
圧縮度 | 高 | 供給されてくる原料の見掛比重が変化する事がある。 | |
凝集度 | 高 | 分散状態を配慮した供給方式の検討が必要。 | |
噴流性指数 | 低 | 気流分級、フルイ分級でフラッシングによる供給量の脈動に配慮する必要あり。 | |
混合 | 安息角 | 高 | 供給ホッパー角度に配慮、ブリッジ対策不足で閉塞、供給不能になる場合あり。 |
ゆるみ見掛比重 | 高 | 混合工程前後で見掛比重が変動する事あり。前後の工程能力に配慮が必要。 | |
圧縮度 | 高 | 脱気・減容される事で起動時に動力、強度不足となる場合がある。 | |
凝集度 | 高 | 粒子間の付着力が強い為、混合精度に併せた混合方式の選定が必要になる。 | |
噴流性指数 | 高 | 混合終了後の排出時にフラッシングが発生する事がある。 | |
乾燥 | 圧縮度 | 高 | 乾燥が進むと見掛比重が小さくなる(容量が増える)恐れがある。 |
凝集度 | 高 | 乾・湿粉状態で同傾向を示す事が多い。乾燥時間(熱量)と構造(熱交換性)に配慮。 | |
噴流性指数 | 高 | 流動層や気流乾燥が適している。乾燥余熱を上手く使う事で乾燥が進む場合がある。 比較的乾燥が容易である一方で微妙な仕上がり湿分のコントロールが困難となる事がある。 |
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供給 | 安息角 | 高 | 供給ホッパー角度に配慮。ブリッジ対策不足で閉塞、供給不能になる場合あり。 |
差角 | 高 | 供給ホッパー角度に配慮。ブリッジ対策不足で閉塞、供給不能になる場合あり。 | |
圧縮度 | 高 | ブリッジ対策が必要であり、供給機及び直前の見掛比重の制御が必要になる。 | |
噴流性指数 | 高 | フラッシングが発生し易い為、前後装置との縁切に配慮が必要になる。 供給量に脈動を生じやすい為、供給直前で見掛比重を制御する必要がある。 |
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貯蔵排出 | 安息角 | 高 | 供給ホッパー角度に配慮。ブリッジ対策不足で閉塞、供給不能になる場合あり。 |
差角 | 高 | 供給ホッパー角度に配慮。ブリッジ対策不足で閉塞、供給不能になる場合あり。 | |
圧縮度 | 高 | ブリッジが発生し易い。排出口付近に粉体圧がかからないように設計する必要あり。 | |
ブリッジ対策として衝撃は不適当である。機械的に強制流動させる必要あり。 | |||
スパチュラ角 | 高 | ホッパー角度をスパチュラ角以上の角度で設計すれば閉塞は防げる筈。 | |
噴流性指数 | 高 | フラッシングが発生し易い為、前後装置との縁切に配慮が必要になる。 空気輸送先のサイロには充分に脱気対策を行う。 |
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空気輸送 | ゆるみ見掛比重 | 変動 | 見掛比重が変動すると言う事は、輸送量の変動に直結します。 |
圧縮度 | 高 | R部付近で閉塞が発生し易い。より大きな輸送圧、緩やかなR部の設計が必要。 見掛比重を一定にする必要がある。 |
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噴流性指数 | 低 | 噴流性指数50点が空気輸送の採用目安である。 | |
成形工程 (プレス成形) |
安息角 | 高 | 供給ホッパー角度に配慮。ブリッジ対策不足で閉塞、供給不能になる場合あり。 |
差角 | 高 | 供給ホッパー角度に配慮。ブリッジ対策不足で閉塞、供給不能になる場合あり。 | |
ゆるみ見掛比重 | 低 | 成形強度を得る為にはより高い成形圧が必要。 | |
圧縮度 | 高 | ブリッジ対策が必要であり、供給機及び直前の見掛比重の制御が必要になる。 脱気対策が必要だが、瞬間的に圧力のかかるプレス成型には不向き。 |
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凝集度 | 高 | 原料粉体が混合品である場合、凝集度の高い粉体だけ偏在することがある。 | |
噴流性指数 | 高 | フラッシングにより、スクリュー回転数、振動コンベアー振幅での流量コントロールが困難。 供給ホッパー内の原料粉面の上下(粉体圧の増減)で供給量が異なる。 |
動画
高生理活性物質(粉体)の封じ込め対策システムのご紹介
本システムは、医薬品原薬など高生理活性物質を取り扱うにあたり、曝露レベル1μg/㎥以下程度でお使いいただけるエンクロージャーと組合わせた仕様となっております。
※測定器写真は旧型MT-1001kです。
エンクロージャー前面扉半開状態で、一定の風速を維持する事により、飛散する粉体に曝露するリスクを低減します。背面のスリット部分より排気し、測定作業及び清掃作業もその状態で可能です。台下に収納されている3つのユニットにはそれぞれにHEPAフィルタと排気ファンが内蔵されております。測定者への安全・安心を主とする為には有効な対策となります。そのほか粒子径分布測定装置等、本測定器以外の装置でも対策可能です。
仕様
測定項目及びユニット・備品 | (1)ゆるめカサ密度 | 100mLセル |
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(2)固めカサ密度 | 100mLセル ストローク18mm | |
(3)圧縮度 | (1)(2)より計算 | |
(4)安息角 | 安息角ユニット CCDカメラにて2方向から撮像 | |
(5)崩壊角 | 安息角ユニット 直下衝撃・CCDカメラにて2方向を撮像 |
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(6)凝集度 | 試験ふるい(710,355,250,150,75,45μm) 3枚を選択使用 |
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(7)スパチュラ角 | スパチュラ角ユニット スパチュラ自動持ち上げ、CCDカメラにて 2方向を撮像 |
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(8)分散度 | 分散度ユニット | |
(9)薬局方対応 | 薬局方専用タッピングセルユニット ストローク 3, 14mm |
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(10)タップ密度 | タッピングセルユニット※オプション | |
(11)P C | 弊社標準PC及び解析用ソフト | |
(12)電子天秤 | ザルトリウス社製 ※他天秤別途打合せ | |
その他の周辺機器 | P C | 防塵・防滴ノートパソコン※オプション |
クリーナー | 装置内部粉塵の軽減及び清掃用※オプション | |
寸法・重量・電源 | 寸 法 | 440W × 470D × 620H |
重 量 | 約80㎏ | |
電 源 | AC100V × 50/60Hz |