PRODUCT製品情報
シングルトラックジェットミル(横型ジェット粉砕機)
対象原料
セラミックス等硬くて粉砕時に摩耗コンタミが発生しやすい原料
粉砕・分級原理
定量供給機によって供給された原料は、プッシャーノズルから吐出された圧縮流
体と共にベンチュリーノズルを通り、粉砕ゾーンに送られます。
粉砕ゾーンでは、複数のグラインディングノズルから噴出される圧縮流体によっ
て原料が高速に加速されます。この高速で動く原料が互いに衝突し、摩擦し合う
ことで、原料は超微粒子に砕かれます。
粉砕された粉末は高速で回転するため、遠心力が働いてミルの外側(粉砕ゾーン
)に留まろうとします。
粉砕に使用された圧縮流体は、ミルの中心部にあるアウトレットから排出されま
す。この流れに乗って微粉は中心に向かいアウトレットから排出されます。
一方で、粗い粒子(粗粉)は遠心力が強いため粉砕ゾーンに留まり、細かくなる
まで粉砕が繰り返されます。
粉砕粒子径の調整方法
原料供給速度と流体圧力により調整します。
特長
- 過粉砕がなくシャープな粒度分布: ジェットミルは粉砕機能と分級機能を兼ね備えているため、過剰に粉砕することなく均一な粒度の製品が得られます。
- 低融点・弱熱性物質の粉砕: 高圧流体が膨張する際に温度が下がるため、低融点や熱に弱い物質も粉砕できます。
- 瞬時に粉砕生成物が得られる: 粉砕された製品がすぐに得られます。
- 本体の摩耗や異物混入が少ない: 粉砕は原料同士の衝突で行われるため、装置の摩耗や異物の混入がほとんどありません。
- 簡単な構造で分解・清掃が容易: 駆動部分がなくシンプルな構造のため、分解や清掃、洗浄が簡単です。
- スケールアップが容易: スケールアップがしやすいので、将来の生産量の増加にも対応できます。
- 多様な流体の使用が可能: 圧縮空気、ホットエアー、スチームなどを使用し、不活性雰囲気が必要な場合はN2ガスやArガスも利用できます。
- 粉砕と同時にコーティングが可能: 粉砕と同時にコーティング処理も行えます。
- 他の気流式分級機との組み合わせが可能: クラッシールやマイクロンクラッシファイアーなどと組み合わせて使用できます。
- 適したライナーの選択: Al2O3、ZrO2、Si3N4、SiCなどのライナーを使い、各原料に最適なものを選べます。
これらの特徴により、シングルトラックジェットミルは効率的で多用途な粉砕機 として利用されています。
モデル図
フローシート
仕様
型式 | 圧力 | 風量 (m3/min) | 動力 (kW) | 処理量 (kg/Hr) |
---|---|---|---|---|
(FS-4) | ~0.64Mpa | ~1.2 | 11 | 0.5~2.0 |
STJ-200 | ~2.8 | 22 | 2.0~20 | |
STJ-315 | ~5.5 | 37 | 10~50 | |
STJ-400 | ~7.9 | 55 | 20~100 | |
STJ-475 | ~10.8 | 75 | 50~200 | |
STJ-560 | ~17.5 | 125 | 100~350 | |
STJ-670 | ~30.7 | 180 | 300~800 | |
STJ-750 | ~41.4 | 255 | 600~1200 |
粉砕データ例
名称 | 粉砕条件 | 機器設定・操作条件 | 生成結果 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
原料粒度(μm) | 使用機種 | 処理量 (kg/hr) |
粒度分布(μm) | |||
D100 | D50 | D100 | D50 | |||
アルミナ | 48.0 | 10.0 | FS-4 | 1.0 | 8.0 | 2.9 |
シリカ | 422.1 | 164.9 | FS-4 | 0.6 | 14.0 | 3.5 |
酸化セリウム | 16.6 | 4.4 | STJ-200 | 8.0 | 4.2 | 1.6 |
窒化アルミ | 16.6 | 5.0 | STJ-200 | 4.5 | 5.0 | 2.0 |
硝子 | 253.0 | 31.7 | STJ-200 | 2.5 | 16.5 | 4.2 |
ガラスフリット | ザラメ状 | ザラメ状 | STJ-200 | 2.0 | 10.0 | 3.9 |
三酸化アンチモン | 108.0 | 20.7 | STJ-200 | 40.0 | 3.6 | 1.1 |
電解二酸化マンガン | – | 23.7 | STJ-560 | 180.0 | – | 8.2 |
水酸化リチウム | 2187.7 | 527.6 | STJ-200 | 20.0 | 34.6 | 7.9 |
炭酸リチウム | 45.7 | 10.0 | STJ-200 | 6.0 | 7.5 | 2.4 |
チタン酸リチウム | 31.6 | 7.5 | STJ-200 | 1.0 | 3.1 | 0.8 |
金属酸化物 | 515.7 | 77.0 | STJ-200 | 0.6 | 309.5 | 5.1 |
タングステン | 108.1 | 48.4 | STJ-200 | 8.5 | 64.8 | 6.5 |
水酸化カルシウム | 32.8 | 6.0 | STJ-200 | 3.0 | 8.4 | 2.4 |
カーボン | 253.1 | 51.3 | STJ-200 | 10.0 | 8.4 | 2.3 |
活性炭 | 301.9 | 62.3 | FS-4 | 1.0 | 16.6 | 5.5 |
蛍光体 | 50.0 | 15.6 | FS-4 | 0.9 | 21.0 | 2.2 |
熱硬化性樹脂 | 2mm | 150~200 | STJ-400 | 15.0 | 10.0 | 2.0 |
エポキシ樹脂 | 1656.3 | 319.3 | STJ-200 | 2.5 | 13.0 | 4.5 |
フェノール樹脂 | 208.9 | 18.6 | STJ-200 | 2.5 | 8.7 | 2.0 |
無機顔料 | 478.6 | 74.3 | STJ-200 | 0.5 | 13.1 | 2.2 |
大麦若葉 | – | 3~4mm | STJ-560 | 30~35 | – | 15.0 |
アガリクス粉末 | 355.9 | 56.4 | STJ-200 | 5.0 | 13.9 | 4.1 |
魚骨粉 | – | – | STJ-400 | 37.0 | 8.3 | 1.9 |